あなたに届けたいことばたち
by o2co2no2
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2020年 08月 20日
そうびよあふるる色香を こぼるるルージュの衣にまとって そなたは夜の村々を君臨する
夜の深淵をさまよいながら 酒賛さえも能わざりし渇ごうを 君の輝きにみちた瞳が 満たしてくれた
うつろい知らぬそなたの美に 敬虔な賛美を
許さるるなら そなたの君臨する世界を 真新しい白地図に塗りかえたい
あうごとに君は麗し 月下の沼にあでやかに 花開く白蓮のごと
誘い多き夜に君*して 今宵も君は 美をほしいままにする
2020年 08月 20日
アメリカに行かんと決めしその夜の 夢に泣きける初恋の女
別れあらむこのアメリカ行き何故決めし 心かけめぐる千々の想いよ
会うたびに色香漂う汝が肌に 触れんとぞ想いつ四季過ぎける
アメリカの近きことを母に説く 心かなしも 母老いてあれば
陽を浴びしふとんの暖かさよ 久方に母の尋(と)めきし夜
遊びに出でよという母の有難さ 仕事に疲れて帰りきし夜
中洲の夜に今日もわれ酔えり 三十超えてわびしき故なりや
実務に追わるるごとく月日過ぐ 不安のあまり眠らずなりぬ
母と恋人の 微かなるもの われにふるるなり
2019年 06月 22日
医師よ 真実といえど
生存死確率までは告げないで
私の選ぶ道は末期患者の医師とても
すべて無に帰す
生きる希望を絶つ権利無し
2019年 06月 22日
浴衣着て 湯治の客と なりぬべし 花籠の ばら一輪に 退院す 夕焼けて 熱き恋いは 告げられず
とうろうの かすかに揺れて なぎし風 秋たつや 朝の光の ぬくもりよ 医師告げし 解読翻訳 数値の羅列
絶望という 恐ろしき 一語
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